解像度や作業領域は? MacBookで4Kモニターを使うときの疑問に回答

MacBookを4Kモニターに出力して使っています。USB-Cケーブル1本で充電とモニター出力ができる取り回しの良さ、4Kの精細さ、作業領域の広さなど、総合的に大満足。
ただ、4Kモニター購入前はいくつかの疑問点があったのも事実ですね……。MacBookと接続すると、どのような挙動になるのか、わからない点がありました。
4Kモニターの疑問点
- 実用的な解像度はどれくらいか?
- 作業領域どれくらい広くなるのか?
- 4Kモニターの明るさ調整はできるのか?
- USB-Cケーブル繋ぎっぱなしで過充電にならないのか?
- MacBookは4Kモニター出力に耐えうる?
このような疑問点について、4Kモニターを購入した今だからわかることをお答えします。
僕と同じように、MacBookで4Kモニターを利用したい人の参考になれば幸いです。
MacBookで4Kモニターを使う作業環境
まず最初に、僕が使っている構成を簡単に説明します。
作業環境はこんな感じ。MacBook ProをUSB-Cケーブル1本で「27インチ4Kモニター」に接続しています。

使っているパソコンと4Kモニターは以下。
- MacBook Pro 13インチ 2018年モデル
- DELLの4Kモニター「U2720QM」
DELLの4Kモニター「U2720QM」のレビュー記事
▶4Kモニター、DELL「U2720QM」レビュー。Retinaディスプレイを初めて見たときの感動、再び
この作業環境で数ヶ月過ごし、色々わかったことをまとめました。
MacBookで4Kモニターを使いたい人の疑問をいくつか解消できるかもしれません。
MacBookで4Kモニターを使うときの疑問点について回答
MacBookを「27インチの4Kモニター」に接続したときの解像度や作業領域などについて書きます。
(※27インチ以外のサイズでは少し異なるかもしれません)
MacBookを27インチ4Kモニターに接続すると「解像度」はこうなる
高解像度4Kモニターの性能を思う存分使いたいですよね。そうなると解像度の設定は大事です。
「システム環境設定→ディスプレイ」で見ると、27インチ4Kモニター側はこのように5種類の解像度が選択可能になっています。

それぞれの5種類の解像度は以下。
- 1920×1080…フルHDと同じ解像度
- 2560×1440…WQHDの解像度
- 3008×1692… 3Kとも呼ばれる解像度
- 3360×1890
- 3840×2160…本来の4K解像度
27インチ4Kモニターでこれらの解像度を選ぶと、どのように表示されるのか。
それぞれのスクリーンショットを貼っていきます。文字のサイズや作業領域に注目しながらご覧ください。
①「1920×1080」4KモニターでフルHDと同じように見える疑似解像度
本来は4Kで「3840×2160」ある解像度を、擬似的にフルHD「1980×1080」として表示可能。(疑似解像度という技術なのですが特に覚えなくていいです)
この状態でYahoo!のトップページを表示しました。これぐらいの文字サイズと作業領域で表示されます。

この設定、めちゃくちゃ綺麗。
4K(3840×2160)でフルHD(1920×1080)の疑似解像度を表示すると1ピクセルあたりの密度が多いため、すごく綺麗に見えます。文字も滑らかで読みやすく、使っていて気持ちいい精細さですね。
ただし、フルHDと同じ作業領域なので狭いです。個人的にはもう少し広く使いたいので、この解像度は使っていません。綺麗だけどね。
②「2560×1440」WQHDの疑似解像度は丁度いい印象
続いて、WQHD「2560×1440」の疑似解像度に設定したときの見え方です。

先ほどのフルHD表示よりも文字が小さくなり、表示領域も広くなります。
個人的に、この文字の大きさと表示領域は、とても程良い印象。ブラウザを(ちょっと縦長だけど)左右に並べることもでき、作業効率が上がると思います。

ちなみにブラウザやアプリを綺麗に並べるなら『Magnet マグネット(400円)』というMacアプリを使うと便利です。僕も愛用しています。
③「3008×1692」人によってはアリな疑似解像度
あまり馴染みのないですが、「3008×1692」ぐらいの解像度は3K(QHD+)と呼ばれたりします。
この疑似解像度を選択すると、このような表示。

表示領域は広くなるものの、人によっては文字がや小さくて読みづらいかも。目とモニターまでの距離にも寄りますが、ギリ読めなくもないけど、文字小さめかなぁと。タイピングもしづらいかも。
【追記:さらに長期間使った感想】
ただ個人的には、この解像度は結構好きです。慣れれば、文字を読むのもタイピングも苦ではありません。むしろ1画面にさまざまな情報を表示でき、作業が捗ります。
ブラウザを左右に並べると、これぐらいの表示領域。デュアルモニターのように使えます。広い作業領域が欲しいときは良いオプションとして機能する気と思います。

④「3360×1890」作業領域は広いが、文字が小さい
「3360×1890」の疑似解像度はこのように表示されます。

表示領域はめっちゃ広い。しかしそれに伴い、文字は小さいです。まぁ読めないサイズではないけど、ちょっと目が疲れる印象。
ブラウザを左右に並べるとこんな感じ。ブラウザのタブをたくさん開くとタブが小さくなってしまって、精密なクリック操作が要求されます笑 それぐらい小さい。

またこれぐらいの解像度設定から、MacBookへの負荷が大きくなる気もしますね。マシンスペックにも寄りますが、高負荷作業をするなら疑似解像度を下げたほうがいいかもしれません。
⑤「3840×2160」さすがに文字が小さすぎて実用的ではない印象
「3840×2160」の疑似解像度はこのように表示されます。これが本来の4K解像度。

作業領域は広い。広すぎます。ブラウザ何枚並べられるんだよってぐら広い。
それに伴い、文字も非常に小さくなります。読むのもタイピングするのもツライんじゃないかな……。

個人的には、ちょっと実用的ではない印象。
以上、MacBookを4Kモニターに接続したときの疑似解像度を5種類紹介しました。
……今回はメインになる5種類を紹介しましたが、実は疑似解像度は全13種類から選べます。Macの「option」ボタンを押しながら「変更」をクリックすると、このように13種類もの疑似解像度が選択可能になります。

全13種類の疑似解像度を選べるのですが!
結局のところ、上記で紹介した「1920×1080」、「2560×1440」、「3008×1692」あたりを使う人が多そうだなと思います。このあたりが実用的なんですね。
一応、13種類の疑似解像度をリストアップします。高齢の方が使うのであれば、「1280×720」などは文字が綺麗かつ大きくて読みやすいので良いかもしれません。
- 1152×648
- 1280×720…HD解像度
- 1504×846
- 1600×900
- 1680×945
- 1920×1080…フルHD(上記で紹介)
- 2048×1152
- 2304×1296
- 2560×1440…WQHD(上記で紹介)
- 3008×1692…3Kとも呼ばれる(上記で紹介)
- 3200×1800
- 3360×1890…(上記で紹介)
- 3840×2160…4K(上記で紹介)
もしWQHD「2560×1440」を使うのだとしたら……、4Kモニターではなく最初からWQHDモニターを買うのが正解かもしれません汗
▼例えばI-O DATAやエイサーなら、27インチWQHDモニターが3万円前後。
▼MacBookなどのノートPCとUSB-Cケーブル1本で接続し、充電と映像出力ができるモニターは選択肢がけっこう少ないのですが、BenQが販売しています。
というわけで、4Kモニターの疑似解像度についてでした。
この疑似解像度は、そのまま作業領域の広さの話にも繋がります。
27インチ4Kモニターの「作業領域」について
疑似解像度によって、作業領域が大きく変わることがお分かり頂けたかと思います。
作業領域の広さの好みは人それぞれなので、一概に「これがいい!」とは断言しづらいですね……。
というわけで、かなり個人的な話になっちゃいますが、結局僕は「2560×1440(つまりWQHDモニターと同じ解像度)」で利用しています。

「2560×1440」の作業領域が丁度いいですね。
文字は大きすぎず小さすぎず程よいサイズ。作業領域もブラウザを2枚並べられて実用的。横にMacBook Proを置いているので、ちょっとしたトリプルディスプレイのように使えます。僕の作業内容(使用ソフトはブラウザ、エディタ、Photoshop、Lightroom、Premiere Pro等)では今のところ十分かなと。

Premiere Pro等のように「作業範囲が横に長い」ソフトも、なかなか快適です。
ただ動画編集がメインのお仕事であれば、34インチぐらいのウルトラワイドモニターを検討してもいいかもしれません。

せっかく4Kモニターを買ったのに「2560×1440」の解像度で使うのってなんか勿体なくない?最初からWQHDモニター買えばいいのでは? と思ったりもしましたが、疑似解像度のおかげで普通のWQHDモニターよりも表示が綺麗なので良しとしています。
文字サイズと作業領域のバランスが良いのが、「2560×1440」かなと感じています。
4Kモニターの明るさ調整はこうする
MacBookを使っているとき、僕は画面の明るさをわりと頻繁に調整するタイプです。みなさんどうでしょうか?
MacBook本体の画面の明るさだったら、キーボードで簡単に調整できますよね。

でも外部モニターは、明るさ調整がちょっと面倒です。
まずMacBookキーボードの明るさ調整ボタンを押しても、外部モニターの明るさは調整できません。調整できるのはMacBookの明るさだけで、外部モニターの明るさは変わりません。ここが連動してくれればラクなんですけどね……。
外部モニターの明るさ調整は、モニターの物理ボタンを操作するか明るさ調整アプリを使うか、の2択になると思います。
- 外部モニターの物理ボタンを操作する
- 明るさ調整アプリを使う
はっきり言って、明るさ調整のたびにモニターの物理ボタンを押すのは面倒くさいです。それに”押しづらいボタン”も多い印象(モニターってクリック感が微妙なボタン多い説)。
明るさ調整メニューに入ってボタンでポチポチ調整して決定ボタンを押して……と工程が多いのも面倒くさい要因。
例えば僕が使っている4Kモニター「U2720QM」の物理ボタンは、画面右下にあります。ボタン自体が小さくて硬めで、お世辞にも押しやすいとは言えないですね……。

そこでオススメなのは、明るさ調整アプリを使う方法。
僕はMacアプリ『QuickShade(無料)』を使っています。

起動すると、メニューバーから一発で明るさ調整できるようになります。

明るさを簡単に調整できるのは便利。
特に目の疲れを感じる人、夜中に作業する人は、モニターを暗めにしたいと思うのでは? 『QuickShade(無料)』を使えば、外部モニターの明るさ調整もかんたんです。
MacBookにUSB-Cケーブル挿しっぱなしで、過充電にはならないの?
「USB-Cケーブル1本でディスプレイ出力とMacBookの充電ができる」
これが今どきの4Kモニターのメリットです。

ただUSB-Cケーブル繋ぎっぱなしだと過充電になり、MacBookのバッテリーが劣化してしまうのでは?と思っていました。
結論から言うと、過充電やバッテリー劣化は心配しなくていいようです。
以下のAppleコミュニティの回答によると、最近のMacBookは繋がっている機器を自動的に判別して電圧や電流を調整してくれるため、バッテリーの過充電や劣化はほとんど気にしなくていいとのことでした。
というわけで、USB-Cケーブル繋ぎっぱなしの運用で問題なさそうです。
MacBook Pro 13インチは、4K出力に耐えられるのか
そもそもMacBook Pro 13インチのスペックで4Kって出力できるの? という疑問への回答。
すでに見てもらった通り、MacBook Proで問題なく4K出力できます。
ちなみに僕のMacBook Pro 13インチの詳細なスペックはこんな感じ。インテルの内蔵グラフィックスなのでそこまで高性能ではないはずですが、問題なく4Kモニターを利用できています。
プロセッサ: 2.3GHz Intel Core i5
メモリ: 16GB
グラフィックス: Intel Iris Plus Graphics 655 1536 MB

MacBook Airも、2015年モデル以降は4K出力に対応しているようです。
追記
2020年に発売されたM1チップMacBook Airに乗り換えました。
まったく問題なく4Kモニターに出力できています。

スリープや復帰の際、4Kモニターの挙動は?
あくまでDELLの4Kモニター「U2720QM」とMacBookをUSB-Cケーブルで接続した場合の話なんですけど、MacBookのスリープと復帰の動作は非常にスムーズでした。これは嬉しいポイントでしたね。
スリープ状態から復帰させたときのスピード感をGIFにしました。個人的には、ほとんどストレスを感じない復帰スピードです。

スリープからの復帰が遅いとイライラして日々の仕事に支障が出ますからね……。速いのは嬉しい!
とりあえず「U2720QM」とMacBook Proの組み合わせは非常に快適です。
4Kモニターから電源供給されるワット数をよく確認しよう
4Kモニターを検討しているMacBookユーザーの多くは、「USB-Cケーブル1本で充電とディスプレイ出力ができる」点に惹かれていると思います。
この充電に関して、4Kモニターから供給されるワット数はしっかり確認しておいたほうが良さそうです。

例えば僕が使っているDELLの4Kモニター「U2720QM」は、最大90Wの電源供給。
「10コアCPUのM1 Pro MacBook Pro 14インチ」や「MacBook Pro 16インチ」等だとワット数が足りません。低負荷な作業中なら充電できるかなと思いますが、高負荷な作業をすると充電しているのにバッテリー残量が減っていく(つまり出力に入力が追いついていない)状態になりそうです。
ハイパフォーマンスのMacBookを高負荷環境で使いたい場合は、別途電源ケーブルを挿す必要がありそうですね。
モデル | ワット数 |
---|---|
M1 MacBook Air | 30W |
M1 MacBook Pro13インチ | 61W |
M2 MacBook Pro 13インチ | 67W |
8コアCPU M1 Pro MacBook Pro 14インチ | 67W |
10コアCPU M1 Pro MacBook Pro 14インチ | 96W |
M1 Max MacBook Pro 14インチ | 96W |
M1 Pro/M1 Max MacBook Pro 16インチ | 140W |
インテル製CPU MacBook Pro 13インチ | 61W |
インテル製CPU MacBook Pro 15インチ | 87W |
インテル製CPU MacBook Pro 16インチ | 96W |
4Kモニターを買う前に、USB-Cケーブルで何ワットの電源供給ができるのかしっかりチェックしておきましょう。
必要なワット数が大きいMacBook Pro 15/16インチユーザーの方は特に。
MacBook & 4Kモニターの作業環境、めちゃくちゃ良い

上記の疑問はすべて、僕が4Kモニターを購入する前に抱いていた疑問です。同じようにMacBookで4Kモニターを利用したいけど、解像度や明るさ調整が不安……という人の参考になれば幸い。
MacBookと4Kモニターの作業環境、めちゃくちゃ良いですよ。快適すぎてMacBook1台やフルHDモニターには戻れません。4Kの画面の綺麗さと作業領域の広さ、最高!
リモートワークの普及で、自宅にモニターを導入する人も増えているようです。
価格はややお高いかもしれませんが、作業効率や快適性、目の疲れ軽減などを考えると大きめの4Kモニターを導入する価値はあると思います。
▼在宅ワーク向けの4Kモニターをピックアップしました。

▼僕が使っている4Kモニターはこちら。

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