PCモニターなどの周辺機器を販売しているBenQさんから、”学びのために生まれた声用スピーカー”というコンセプトのBluetoothスピーカー「treVolo U」をご提供いただきました。
人の声を聞き取ることに重点を置いた独自のチューニング技術によって、なんだかちょっと不思議な感覚ですが、確かに人の声だけクリアに聞こえます。eラーニング、語学の勉強、Web会議などで活躍するアイテムです。
仕事や勉強などで長時間、机に向かっていると、体の疲れを感じますよね。少しでも負担を軽減するために、僕は電動昇降デスクやオフィスチェアを導入しています。
目の疲れの軽減には、モニターの明るさや色温度を調整したり、ブルーライトカット眼鏡をかけたり。あるいは「ScreenBar Haloのレビュー記事」でも書いたように、目に優しい照明をうたうモニターライトも目の疲れ対策になるかもしれません。
耳の疲れはどうですか? ”聞き取りづらい音声”も、疲れやストレスを感じませんか?
動画やWeb会議の音声は、相手のマイク性能や収録環境に依存するところが大きく、自分ではなかなかコントロールできないと思います。
少しでも聞き取りやすくしたいなら、声用スピーカーという選択肢もありかもしれません。この記事では、「treVolo U」の性能や使用感についてまとめました。
※本記事は製品提供で制作しています。
- 人の声が明瞭に聞こえる。語学学習やWeb会議で使える
- 音楽鑑賞にも使える
- ワイヤレスで持ち運び可能
- やや高額
- 2台以上のデバイスと接続するには、手動で切り替えが必要
- カラーラインナップは1色
「BenQ treVolo U」の全体像・スペック
Bluetoothスピーカー「BenQ treVolo U」本体について簡単に説明します。
まず質感が非常に良いです。マットホワイトを基調にしたシームレスなデザイン。前面の金属部分の光沢は派手すぎず、上品なたたずまい。なかなか高級感ありますね。
カラーはこちらのライトブルーのみ。もう少しカラーバリエーションがあってもいいとも思いますが、これはこれで良い色合いです。
落ち着いたトーンのライトブルーなので、僕のような30代男性の仕事机に置いてもそれほど違和感はないですし、子どもの勉強机にもマッチしそうです。絶妙なカラーリング。
サイズはおおよそ「17.4 × 9.5 × 8.1cm」。
正面左側には、エレクトレットコンデンサーマイクと、距離検知センサー(ユーザーとの距離を検知して音量を自動調整してくれる)が搭載されています。
カメラではありません。カメラは非搭載です。
正面右側には「treVolo」のロゴ。
操作ボタンは、上部の6つだけ。どれもわかりやすいアイコンで、操作に迷わないのがいいです。
またこの6つのボタンだけで、操作が完結するのも良いところ。スマホと連携でき、専用アプリも用意されているのですが、わざわざスマホと連携させなくても操作に支障はありません。
背面には充電用のUSB Type-Cポートと、3.5mmオーディオインターフェースがあります。
充電しながらでも、Bluetoothスピーカーとして利用可能。また付属のオーディオケーブルを使えば、有線でも接続できます。
底面には、滑り止めゴムが広範囲に貼られています。
付属品はこれだけ。シンプル。
- 簡単な書類3枚
- 充電器
- 充電用のUSB Type-C to USB Type-Aケーブル
- 3.5mmオーディオケーブル
重さは公式サイトのスペックによると約760g。実際に測ってみると約740gでした。バッテリー搭載なので家の中の好きな場所に持ち運んで使えます。外に持ち出すとなると、ちょっと重いかも。
Bluetoothで接続できるのは1台のみ。出力元デバイスを切り替えたい場合は、1台目との接続を切ってから、2台目に接続する必要があります。
そのほかの詳細なスペックはこちら。
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
Bluetooth通信距離 | Bluetooth標準規格Power Class1 10m(障害物がない場合) |
インターフェース | ・3.5mm(4pin CTIA) ・Type C USB2.0 (充電用) |
連続再生可能時間 | 約12時間 |
使用周波数帯域 | 60~20K Hz |
マイク | ・全指向高感度マイク×1 ・全指向性環境音マイク ×1 |
サイズ(横幅×高さ×奥行き) | 174 × 95 × 81mm |
重さ | 約760g(実測約740g) |
「treVolo U」の全体像はこんな感じです。
ただこれだと普通のスピーカーに見えてしまうと思うので、ここからは”学びのために生まれた声用スピーカー”だという「treVolo U」の3つの独自機能について、実際に使ってみた感想を書きます。
- 動画学習モード
- ライブ学習モード
- 音楽モード
①動画学習モード
eラーニングやオーディオブック・Podcastなどを視聴するときに最適な「動画学習モード」。
この「動画学習モード」に切り替えた瞬間、BGMや伴奏などの音量はそのままに、人の声が前面に出てきて強調され、よりはっきり聞こえるようになります。何これすごい。一般人の僕の耳でも明らかなぐらい、人の声がクッキリ浮かび上がるような感じです。
PodcastやAmazonオーディブル、あるいはeラーニングサービスなど、「人の声を聞く音声・動画コンテンツ」で威力を発揮。
音声が明瞭になったおかげで「頑張って聞こう」、「集中して聞こう」と思わなくても、自然と耳に入ってくるような感覚があります。目で例えるなら、メガネ屋で自分の視力にピッタリ合ったメガネをかけたような感じ。今まで自分でも無意識のうちに目を凝らしていた(耳を凝らしていた)ものが、はっきり見える(聞こえる)ようになってクリアになり、疲れやストレスが少し軽減されたような感覚でしょうか。例えが難しいけど、メガネかけている人に伝われぇ!笑
ともかく、普通のスピーカーよりは確かに聞き取りやすいです。
ただ当然なのですが、聞き取りやすいことと、すぐに理解できることは別の話ですね。リスニング難しい笑
海外ドラマ・海外映画の視聴にも最適でした。英語が聞き取りやすい印象(理解できるとは言っていない)。
YouTubeの動画視聴にも向いています。
動画のBGMや、風切り音などの環境音が大きすぎて、YouTuberの声が聞き取りづらいと感じたこともあるかもしれません。そんな動画でも、YouTuberの声だけクッキリ浮かび上がるので聞き取りやすくなります。
(余談ですけどBGMと音声のバランス調整の編集ってちょっと難しかったりします……!また外で収録しているYouTuberの場合、収録時のマイクの位置や集音性など、とにかくいろいろ難しい!)
このようにさまざまな音声・動画コンテンツにおける「人の声」が聞き取りやすくなります。
ただ、プロが制作したものや良い機材を利用したものなど、すでに聞き取りやすいコンテンツもかなり多いかと思います。
それでも流し聞きではなく、意識的に聞いて勉強するつもりなら、人の声がより明瞭に聞こえる声用スピーカーの意味は大きいように思います。
ちなみに……音楽も、ボーカルの声だけクッキリ聞こえます。想定されている使い方とは違うと思いますが、個人的には「動画学習モード」で音楽を聞くのも結構好み。
②ライブ学習モード
Web会議のときに最適なのが「ライブ学習モード」。
このライブ学習モードのときのみ、マイクがONになります。カメラこそ搭載されていませんが、PCとBluetoothで繋げばスピーカーとマイクでWeb会議ができます。
さらにこのモードでは「エコーキャンセラー技術」によって、相手側の環境音や雑音を消す処理を行い、相手の声がよりダイレクトに抽出されます。
文章では全然伝わらないと思うけど、確かに相手側の雑音などが確かにグッと抑えられ、相手の声だけが届きます。
上述した「動画学習モード」では、環境音・雑音はあまり変化せず、人の声だけ浮かびあがってくる印象でした。一方こちらの「ライブ学習モード」は、相手側の環境音・雑音が抑えられながら、相手の声が届くイメージです。
マイクに関しては、以下3つのデバイスを比較しながら友人とテスト通話してみました。
- BenQ「treVolo U」
- AirPods Pro
- SHURE MV7(ダイナミックマイク)
結果、BenQ「treVolo U」については、以下のような印象でした。
- マイクの音質が良い
- 広範囲を集音するので、環境音・雑音が入ってしまう傾向
- 音量ボタンの「プラスとマイナス」同時押しでミュート可能
BenQ公式サイトにも書いてあるように「広範囲な集音性能」なので、周辺の環境音・雑音をちょっと拾ってしまう傾向があるみたいです。ただ音質はいい感じ。
1つのテーブルを囲んで数人でWeb会議に参加する場合、あるいは離れて暮らす祖父母と孫家族がわいわい喋るようなシチュエーションであれば、威力を発揮しそうです。
家から1人でWeb会議に参加するなら、マイクは単一指向性タイプのもの、スピーカーは「treVolo U」という組み合わせが良さげに感じます。
Web会議における「音声」のクオリティは、相手の環境に左右されることが多いです(マイクの性能・収録環境など)。
機材やガジェットなどにまったく興味がない人は、いいマイクを導入しようとはなかなか思わないでしょう。ノートPC内蔵マイクなどを使い、周辺音やエコーを拾ってしまった結果、相手からすると音声がちょっと聞き取りづらい……なんてことに。自分の声が相手にどのように聞こえているかは自覚しづらいため、なかなか改善されない傾向にあるようにも思います。
このように音声は相手の環境に依存するところが大きく、こちら側(自分)ではコントロールが難しい事柄でした。
ところが「treVolo U」によって、こちら側で「相手の声を聞き取りやすくする」というアプローチが可能になりました。このアプローチが取れる機材ってあまりないように思います。
③音楽モード
普通のBluetoothスピーカーとして、音楽も問題なく聴けます。
バッテリーで駆動するので、場所を問わず使えるのも便利。音作りは素直なように思います。特に違和感なく音楽が聴けました。
また30分後に自動で電源をOFFにする「おやすみモード」も搭載。なので寝落ちしても大丈夫です笑
例えばアイマスクと組み合わせれば、寝づらい夜やリフレッシュにも使えます。ただ「おやすみモード」を使うには、スマホアプリから設定する必要がありますね……。本体上部のボタンから「おやすみモード」にできると、なお良かった気はします。
また専用アプリでは、「おやすみモード」のほかにも、いくつか気の利いた設定が用意されています。
- 個人の聴力に合わせて音域周波数を自動調整できる「専用サウンド」
- treVolo Uの電源を入れたときに優先的に接続されるデバイスを指定できる「優先デバイス設定」
- 起動音のON/OFF
特に音域周波数を調整できる「専用サウンド」は面白いかも。
「treVolo U」から、聴力検査やモスキート音のような6種類の周波数の音を出るので、「聞こえる or 聞こえない」のボタンをタップしていきます。するとその結果に応じた、最適なサウンドに調整してくれるという機能。意外と高い音が聞こえなくなっていたりして悲しい……。
要するに、少しでも聞き取りやすい「声」を作るための機能ですね。
効果のほどを実感できるかと聞かれると、正直わからないというのが本音ですが……。他のスピーカーにはまず搭載されていない機能なので、「声専用スピーカー」としての本気度が伺える気はします。
BenQ「treVolo U」の気になるところ
致命的な欠点はないですが、ちょっと気になったところも書いておきます。
やや高額
価格って評価がすごく難しい項目だなと思うのですが、とりあえず「treVolo U」は税込29,900円です。
音楽を聴くための一般的なBluetoothスピーカーとしての機能に加え、さまざまな技術で人の声を聞き取りやすくしているという明確な強みがありますし、実際に体験した感想としても、確かに聞き取りやすくなるのはすごいところです。
家族みんなで勉強用に使うとか、本気で語学学習に取り組むなら、導入する価値はありそうです。
2台同時接続はできない
接続できるのは、1台のデバイスのみです。
2台同時接続はできないので、切り替えが少し手間かもしれません。
2台同時に接続できるマルチポイントに対応していれば、より便利だったかもしれません。というのも専用アプリがあるので、できればスマホとは気軽に接続したいところ。
またWeb会議や勉強動画は、PCやタブレットの大きな画面で見ることが多い気がします。スマホとPC、2台同時に接続できれば……と思いますが、少し欲張りすぎでしょうか汗
常に1台のデバイスと接続しっぱなしの「据え置き型スピーカー」的な使い方をするのであれば、特に気にしなくても大丈夫です。
カラーラインナップは1種類
細かい点ですが、カラーラインナップは1色のみ。
落ち着いたトーンのライトブルーも悪くないどころか、むしろ素直にすごくいい色です。ただ、黒/グレー系などのもう少しシックな色合いがあっても良かったかもしれませんね。個人的には黒/グレー系が欲しかった……(完全に好みの話)
BenQ「treVolo U」の感想まとめ
最初、”学びのために生まれた声用スピーカー”というコンセプトを見たとき、声に特化したぶん、用途が限定的になってしまったかのようにも思いましたが……、
実際はPodcastやオーディオブック、語学を含むさまざまな勉強、Web会議、さらに普通の音楽鑑賞まで、さまざまなシーンで使える用途が広いスピーカーでした。
特に言語学習やWeb会議などで、相手の声をもっとはっきり、ストレスなく聞き取りたい方は検討してみてください。
モニターライトの記事もどうぞ
※こちらは提供ではなく、自費で購入しました